第4章 spring memory④
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次の週の金曜日・・・
新歓の次は、うちのバレー部との親睦会がやってきた。
各部署5.6名が代表で参加して飲み会を開くんだけれど・・・こないだの飲み会で私の酒豪(飲み過ぎただけ)ぷりが他部署で噂になってるみたいで、新人ながらその会に参加させて頂く事になった。
「バレー部との飲み会に参加できるなんて羨ましい〜」
「背も高いし、イケメン揃いじゃなーい!」
「誰か連絡先に交換したら、今度合コンセッティングしてよね!」
私が親睦会に出席することになった事を知った部署のお姉様方の食いつきっぷりが凄い。特に彼女たちが推しているのは、
「去年までキャプテンやってた及川選手の隣の席座りた〜い!」
ご存知チームの顔、及川徹さんだった。
「背高いし賢そうだし爽やかだし、言う事ないわよねぇ」
「そうそう、それに会ったら笑顔で挨拶してくれるのよね!絶対優しい子よ、あの子!」
「あ〜連絡先だけでもいいから交換して欲しいわ〜」
と、この通り、ランチタイムは及川さんの話を少しでもしたらこのヒートアップ振り。私、絶対言えないな・・・
そう思いながら、ちらりとスマホの電源を入れる。
すると及川さん本人からメッセージが。
"今日親睦会じゃん!リクエストしたチキンピカタまた今度かぁ〜泣"
絶対言えないな・・・
連絡先知ってるどころか、一緒に住んでます、なんて・・・。
(まぁ、私は女として見られてないと思うけど、ね・・・)
強いていうなら、晩御飯担当家政婦だな。
いいんだ、別に及川さんに相手してもらおうとか微塵も思ってないから。
兎に角、今日は粗相のしないように・・・常に接待意識でやってこう!
そう意気込んだーーー・・・