第33章 Lovers memory②
及川side・・・
ーーー・・・
ハーイ☆全国のみんな、及川さんだよ!
ってハイテンションな挨拶してみるんだけど、こう見えて俺、悩み抱えてんの。
りおが居候してきて、最初は気になる存在じゃなかったんだけど、どんどんどんどん、あいつの心に惹かれてった。
りおに気持ち伝えるまでは、正直あいつが他の誰かに取られんじゃないかとか、色々悩んでたけど、
イタリア行ってる間もずーっと俺のこと想ってくれてて、
帰ってきてから、まぁりおと晴れて恋人同士になれたわけ。
そんで母さんにも俺たちの関係を知ってもらえて
堂々と恋人らしいことができるってのに・・・
今、俺には、新たな悩みがあった・・・
《Lovers memory②》
一難去ってまた一難・・・
ぶっちゃけありえないっ!
なんて日曜朝にやってた女の子向けのアニメでそんなオープニングソングあったよね。でも、ほんと、その通り。こういう事言うのかなぁ〜。
まぁ聞いてよ。
俺、及川徹の悩みっていうのはね・・・
「ダメだよ、及川さん・・・っ」
やっぱりこの子。俺の悩みの原因は。
この、今俺がベッドで組み敷いている可愛い恋人なんだけど・・・
「なんで?」
俺は何故か胸元と、顎を手で突っぱねられてこれ以上りおに近づけないようにされてる。
ほんと、何でなの。
最近よくこの攻防戦を繰り広げてる。
まぁ力は俺の方が強いから、こんな抵抗簡単に解いて攻め入ることだって出来るんだけど、りおの体だから乱暴にしたくないし・・・そもそもお互いを求め合ってセックスしたいし・・・
「今日はだめっ!ていうか、最近毎日してるしっ」
真っ赤な顔で拒否してくるりお。
母さんに俺たちの関係を打ち明けてから、それはほぼ毎日りおをこうして組み敷いてるけど、
お前がそんな可愛い顔するから毎日毎日、俺のむすこさんがお前に欲情するんだよって口が裂けても言えない。
穴があったら入りたいんだよ!なんて下ネタももっと言えない。
「でも、りおと気持ちよくなりたいし・・・好きでしょ?」
「好きか嫌いかの問題じゃなくて・・・っぁ」
りおの突っぱねる手を退けて首筋に顔を埋める。
りおの甘〜い匂いが俺の鼻をくすぐる。