第32章 Lovers memory①
今の私たちのこの状態は・・・っ!
そう思っているのに、及川さんは腰の動きを止めなくて、
私は快感に葛藤しながら、震える唇で言葉を発した。
「っ・・・だ!大丈夫です!すぐ行くので待っててくださいっ」
よし、今変な声は出てなかった筈!
お願い!お願い叔母さん、鎮まってください〜!
「そう?それじゃあ先に見てるわね〜」
そう言って足音が遠ざかっていく・・・
最後リビングのドアがパタンと閉まる音まで聞いてから、私は後ろをきっと睨み向いた。
「どういうつもりよ・・・っ!」
冷や汗たらたら、私が小声で及川さんに叱りつけると、及川さんはヘラりと笑って見せた。全く悪びれた様子もない。
「ひゃ〜ドキドキしたね。流石に俺もセックスしてる最中に親が入ってくるシチュエーションは体験したことないからさ」
「ほんとふざけないでよっ」
私だってそんな経験ないし、作りたくもない!
「あのまま叔母さんが部屋に来てたらどうするつもりだったのっ」
「俺らが恋人だって言える絶好のチャンスじゃん」
へーんと、当たり前のようにサラリと言葉を放つ及川さんに、私はガクッと肩を落とした。
「あ、そんな事していいの?」
「え?・・・あっ、ん!」
ズン、と止まっていた揺動が再び動き出して私の中心を刺激する。
「どうする?このまま・・・俺、扉開けて続きしてもいいんだけどなぁ〜」
そんなことしたら今度こそ叔母さんに気付かれちゃう!
「んーーーっ!」
口元を必死に手で抑えて首を振る私。
及川さんは私の体をくるりと反転させて肩に私の片足をかける。
「じゃあ声出さないで耐えるしかないよね?」
そして立って繋がった状態のまま壁に押し付けた。
それから自身の唇で私の唇を塞ぎ、声が出せないようにしてから激しく熱を抜き差しした。
「ふぅ・・・っぁ、ぁ・・・っ!」
舌も、中心も、ピッタリと隙間なく混ざり合いながら、
私たちは絶頂へと向かっていった・・・ーーー