第30章 epilogue
「パパーーッ!!」
小さな体で全力疾走してくる・・・
また大きくなったな・・・
「あー、世界一幸せな出待ちだなぁ・・・」
「何惚気けてんだ、バカップル」
「へへ、今は馬鹿夫婦です」
左手の指輪が夕陽に照らされて輝く。
「それで・・・今は馬鹿親父かな・・・」
俺の元へ全速力で駆けてきた愛しい我が子を抱き上げる。
俺とりおの・・・大切なたからもの。
「おかえりパパ!」
「ただいま。いい子してた?」
「うん!もちろん!いいこにしてたよ!ママにきいてもいいよ!」
俺の腕の中でくるりと首を振り、
もう一人の愛しい存在を・・・
瞳に映す。
出会ったあの頃はショートボブだった髪は後ろで束ねるくらいまで伸びて、今はその腕の中に、生まれてまだ5ヶ月の小さな天使を抱いてる。