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おかえり〜I'm home〜(R18)

第29章 1 years later②





及川さんはふっと笑うと、私の体を抱き上げた。


「へ!?」

突然宙に浮いた私の体。
子供を抱くみたいに軽々と抱き上げられて呆気に取られていると、及川さんは靴を脱いでスタスタと家の中に上がっていった。

「よいしょ」

ちょっと、私まだ外履きの履いたままなんだけど!

「ただ〜いま〜」

そして住み慣れた我が家を私を抱き上げたまま歩いて行き・・・辿り着いたのは及川さんの部屋の前。

横引きの襖を開けて中に入る。

「お、電話で言ってた通り、干したての布団じゃ〜ん♪」

子供のように言い放ち、及川さんはその布団の上に私をぽすんと下ろした。そして流れるように、私の外履きを脱がして・・・裏を重ねて隅へと放った。

私はふわふわの布団の上で及川さんの行動を見ていると、私の目の前に及川さんがずいっと顔を寄せてきた。

そして、また唇を奪われる。

「んっ」

「へへ、隙あり〜」

今度のは軽く、1度だけ触れるだけのもの。
イタズラする子供みたいな顔で、及川さんは満足げに笑ってる。

「・・・もう」

そんな彼が愛しくて仕方ない。
及川さんは私の上に覆いかぶさって、私を見下ろす。

「ね・・・、さっきは余裕なくてあんな風にがっついちゃったけど・・・」

伸びた私の髪に指を絡める。

「俺、本当にお前を大切にしたいから、嫌なことあったら言って?」

一年前、一緒に過ごしてきた日々の中での彼は、意地悪だったけど優しいなって思ってた。
けど、いざ彼の恋人になれた途端、こんなに特別に思ってくれるんだって思うと嬉しくて、胸がじゅわっと温かくなる。

嫌なことなんて・・・ひとつもないよ。

ただ・・・

「私、その・・・及川さんと・・・して以来・・・それきり何も無いから、ほんと、久しぶりで・・・だ、だから・・・」

そろりと及川さんの胸元に目がいく。
あ、私があげたスポーツネックレス、まだ付けててくれてるんだ・・・

「だから?」

「だから・・・」

及川さんの催促にもじもじと、脚を擦り合わせる。
緊張で肩が強ばる・・・


「や、優しくしてください・・・っ」

ぎゅっと目を閉じて、言い切る。

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