第3章 spring memory③
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(さぁてと、何作ろっかなぁ・・・)
お昼すぎ、頭痛も収まりかけてきた私は、近くのスーパーへ繰り出した。
及川さんはあのあと、バレーの練習に行った。彼の作ってくれたお味噌汁が幸いしたのか、顔色は良くなり随分元気になったいた。
彼自身のことは、まだ苦手だし嫌いだけれど、今回のことで迷惑掛けちゃったし・・・色々とお世話してくれた彼に何か返せるものは無いかと考えた。
暫くして夜勤明けの叔母さんが帰ってきた時に、ピーンと閃いた。
「今日の夜ご飯、私が作ってもいいですか!?」
何か返そう・・・私に出来ることと言えば・・・これしか思いつかなかった・・・。
料理自体は結構好きな方。東京で実家暮らしの私はお母さんと日替わりで交互に夜ご飯を作っていた。スイーツも簡単なものなら作るし、毎年クリスマスケーキ作りは私の担当だった。
だから、私のスキルで返せるものといえば、美味しいご飯しかなかった。
"りおのお母さんがね、料理が好きって言ってたのよ〜。叔母さんも楽しみ!"
叔母さんにも、ここに来てからすごくお世話になってるし、今日は二人に喜んでもらえるようなものを作ろう。
そう思いながら、私は野菜やお肉コーナーを凝視して食材選びに励んだ・・・ーーー