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おかえり〜I'm home〜(R18)

第25章 Winter memory⑥





「偉く余裕なんだね」

「え??」

「また及川さんのファンが増えたってことだよ。ファンレターの数も、リーグ前より倍増してるし」


・・・・・・あ。

すっかり忘れてた。


「そっかぁ〜、そりゃそうだよねぇ・・・」

及川さんはそんなつもり無くプレーしてただろうけど、あんだけかっこいいことしちゃったら、ファンが増えない訳、無いよね・・・。現にさっきも会社のお姉さま方に囲まれてたし。相変わらずヘラヘラしてたのにはもう腹が立たなくなったけど。

勝ったことは凄く良いことなのに、
恋のライバルが増えるのは何か複雑・・・。

しょぼんとあからさまに肩を落とす私を見下ろして、国見くんがまたクスリと笑った。

「・・・でも」

ぽん、と国見くんの手が肩に置かれる。

へ?と不思議に思って顔を上げると、

「こないだ試合終わったあとの北村さんたちを見たら・・・俺の相談役も、卒業かなって思ったよ」

国見くんは、笑っていた。

「え・・・?」


あのおでここつんを見られてたのかな!?
思い出してカァッと頬が上気する。

あんな人が沢山いる中で、あんなことしたら・・・
私以外の女の人だったら発狂もんだよ。

でも、及川さんはその後、何食わぬ顔で去っていくし、
家に帰ってきたら相変わらず私に意地悪してきた。

だから国見くんの言葉に、100%の喜びを示すことはできなくて・・・

「男心ってほんとわかんないよ・・・」

「男なんて単純だよ。特に、及川さんなんてほんと、わかりやすいし」

国見くんは私の額をコツンと小突いた。

「うう〜、そうかなぁ・・・」

「まぁ一言アドバイスするなら、お互いもっと素直になった方がいいよね」


うっ・・・痛い所ではあるけれど、ほんとにその通り。
私もついつい意地張っちゃうし。


「・・・検討してみます」

「そうしてください。まぁ、北村さんなら、及川さんを任せられるから」

そんな事、国見くんの口から出るとは思わなかった。

「じゃあ、そろそろチームとしての挨拶があるから、皆を集めに行くよ」

そう言って国見くんは去っていった。

国見くんも大分、表情が柔らかくなったな。リーグが終わって肩の荷が降りたんだろうなぁ・・・本当にリーグで勝つために、選手以外の人も色々な役割を担って動いていたんだと思った・・・。



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