第25章 Winter memory⑥
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数日後、
長いリーグ戦で優勝という結果を納めたチームの皆を、会社をあげて祝勝会を開いてお祝いした。
宮城の有名ホテルのレストランを貸切り、豪華な料理がビュッフェ形式で食べられるパーティで、選手の人達も今日はそれぞれラフな服装でお酒を飲んだり楽しんでいた。
うん、みんな背が高いしオシャレだ。かっこいい!
今回は私も運営側ではなく、会社の社員としてこのパーティに参加していた。
飲み過ぎないようにとシャンディーガフの注がれたグラスを片手に、入口付近で同僚の女の子と話す国見くんの元へと歩いていく。
「国見くんっ!」
わ、国見くん・・・オシャレだ。
白のシャツに黒いカーディガンを羽織って、下はチェック柄のパンツを履いた、シンプルだけど国見くんらしいコーディネートだった。
国見くんも顔は整ってるしファンも多いんだよね。
こないだの決勝戦で、マネージャーながら色んな人からサインねだられていたし。
「北村さん。・・・なんか久しぶりだね」
「そうだねっ、リーグ終わってから1回も会社で会わなかったし」
「地域のお偉いさんに結果報告したり、色々広報の面で忙しくしてたからね」
「そっかぁ。終わってからも大変だったんだね、お疲れ様!」
そう言って、グラスを掲げて見せた。国見くんもふっと微笑んで、ビールの入ったグラスを私のそれにあてた。
カチンと乾杯のいい音が鳴る。
「俺のいない間、俺の仕事増やすようなことして無い?」
「うっ・・・してないつもりだけど、チェックしてもらいたい書類は多々あり、ます」
「ふ・・・冗談だって。北村さんも、色々とご苦労さま。決勝戦、見に来てくれてたんでしょ」
表情の乏しい国見くんがふっと笑って、ビールを心地よく飲んでる。
「うん!凄かった、あのフルセットの逆転勝ち!!」
「ほんと。皆が120%の力出してたけど・・・やっぱり最後は及川さんだったよ。・・・ほんと凄い」
珍しい。あの国見くんが誰かを賞賛するなんて。
でも確かに、あの及川さんのサーブは凄かった・・・
「うん。あれはほんとに凄かったよね!」
興奮気味に私が話すと、国見くんは何故か眉間にシワを寄せた。
「え、なんで?」
挙句、はぁ、とため息までつかれる。