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おかえり〜I'm home〜(R18)

第25章 Winter memory⑥





それは一瞬の出来事。

コツンと額同士が合わせられる。
長いまつ毛を伏せて及川さんは、はぁ、と息を漏らした。

私の、スティックを持つ手を包み込む及川さんの右手が温かい。

鳴り止まない歓声の中、
一番近くで及川さんは私だけに聴こえる声で言った・・・


「バレーは6人で強い方が強い・・・あの時、お前の言葉に救われた」


相手がマッチポイントをとった時、私が掛けた言葉・・・
及川さんが貫いてきた信念・・・

最後まで、その言葉通りに戦ったね・・・


「お前、やっぱり、すごいよ・・・」

そう言って及川さんは体を離し、くしゃりと私の頭を撫でた。

その手が、愛おしくて・・・
私はぽかんと口を開いたまま何も言えずに、鼓動はうるさいくらいに跳ねたまま・・・
再びチームの元へ戻っていく及川さんの背を見送った・・・








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