• テキストサイズ

おかえり〜I'm home〜(R18)

第25章 Winter memory⑥





・・・筈だったがやはり会場の広さに圧倒された。

ひぇぇぇぇ。

高い高い天井に、360度客席が囲みその殆どの席には既には両チームのTシャツを着たファンの人や観客でいっぱいだった。

1.2・・・凄い、三階席まである。

様々な機材があちこちに設置され、運営スタッフやカメラマンらしき人たちもあちこちにいる。これはもう大物ミュージシャンのコンサートみたいだ。
プロって・・・プロってほんとに凄い!

私たちは及川さんのツテで客席の中でも一番コートに近くて見やすいアリーナ席のチケットを貰っていた。プレーしている選手と同じ目線で試合観戦ができるそこは競争率が高くて一般の人は手に入れることがまぁ難しいらしい。及川選手さまさまだ。

確かにいい席・・・ネット際の近くっていえばいいのかな?監督やスタッフが座るベンチの真後ろの席。だから今、公式練習をしている皆の表情がしっかり見える。勿論、ネットの近くでトスを上げている及川さんのことも・・・


(緊張してないって言ってたけど・・・)

まぁ、彼の表情を見るとそう言ったものは感じられなかった。でもその体から滲み出る何かを・・・私は素人ながら感じた。

自分からアタッカーへ話しかけにいき、時折笑顔が見れる、その反面、絶対に勝つって気持ちが全面から放たれていて、私は自然と背筋が伸びた。


まもなく公式練習が終わり、両選手はエンドラインに整列する。

及川さんが会場の空気を取り入れるように深呼吸をした。
釣られるように私もゆっくりと深呼吸をする・・・


よしっ!


大丈夫・・・!


ピーーーッ!!


笛の音。
会場を包む盛大な拍手と歓声・・・


両チームのプライドを掛けた戦いが、始まったーーー・・・





/ 376ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp