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おかえり〜I'm home〜(R18)

第25章 Winter memory⑥





ーーー・・・


及川さんのプレーを見るのは、2度目。
初めては、青城の体育館で、高校生の練習相手をしていた時だった。

あの時の及川さんはトスもサーブもレシーブもブロックも、全てが丁寧で無駄がなくて、上手いの一言だった。

だけど上手いのは彼だけじゃない。
味方の選手、対戦相手・・・

及川さんと同じくらい上手で、
及川さんよりも大きい選手がコートの中ではひしめき合っていた。

何度も床に叩きつけられるボール。それを自コートに落とさないように床に這いつくばってレシーブして、トスにして、打ち返す。

お互いが1つのボールを、互いのコートへと打ち込む・・・

日本一ハイレベルな試合、手に汗を握る試合。
気づけばセットカウント2ー2。
フルセットにまでもつれ込んでいた。


リーグ戦で何度も何度も対戦してきて、お互いの手の内は分かってる。ここまではほぼ互角に戦っている。

(頑張って・・・、及川さん!)

渡されたバルーンスティックは叩きすぎてへたりこんでいるけど、そんなの気にしてられない。

滴る汗をタオルで拭いながら、視線は勝つことだけを考えている及川さんを私はじっと見つめた。

このセットで最後・・・
これを落としたら・・・

ううん、そんなこと考えない。
私は、私も及川さんと同じように、勝利を信じなくちゃ!

手を胸の前で強く組む。


ピーーーッと鳴る笛の音と共に再びコートへ入る両チーム。


ここからは・・・
どれだけ勝ちたいか・・・
ただそれだけ。


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