第3章 spring memory③
《りおside》
ーーー・・・
ぐるぐる、
ぐーるぐる世界が回る。回ってんのはどっち?私?
あー、頭痛い頭痛い頭痛い!
そう思いながらパチリと目を覚ますと・・・
そこは見知った天井だった・・・。
「・・・・・・・あ、れ・・・・・?」
白い壁、スカイブルーのカーテンから零れるのは朝日。
ここは、・・・私の部屋だ。どうやら私は何とか飲み会を生き延びてこの部屋にたどり着いたらしい。全然記憶無いけど・・・
(初めて記憶飛んだ・・・)
サァーっと顔から血の気が引いていく。
ちゃんと締めの挨拶まで聞いていたか、上司にお礼は言えたか、タクシーで帰ったのかすらも覚えていない・・・
ただ、気づいたら自分の自室で、スーツ姿で寝ていた。
ってあれ?上着はちゃんと壁のハンガーに掛けてある。
吐き気はないけれど、頭は酷く痛いし重たい。完全に二日酔いだ・・・
(化粧・・・これ多分落としてないな・・・早く落とさないと・・・)
化粧を落とさないで寝るのは一番お肌に悪い。一秒でも早く洗面台に行きたくて、重たい体を引きずるように布団から出た。
すると、足元にがさっと言う音がして、何かとしたを見下ろす。
(ビニール袋だ・・・)
何でこんなものがあるのかも、謎なまま、とにかく部屋を出ようと思った。出る前に、ちらりと時計を見ると8時00分ちょうど。まだ叔母さん夜勤終わってないよね・・・
裸足で階段を降り、ヒタヒタと廊下を歩いてリビングに向かう。
すると何か懐かしいような匂いが鼻をかすめた。
(あ・・・すっごいいい匂い・・・)
誘われるようにリビングの扉を開くと・・・