第22章 Winter memory③
そう言って岩泉さんは男らしく豪快に、花巻さんのプレゼントを開けた。その瞬間目を見開いた。
「なっ・・・!花巻てめぇ・・・!」
「はぁ〜見ちまったか・・・一縷の希望をかけてりおに当たった時用のプレゼントだったんだけどな」
「当たる確率低すぎだろ!何だってこんなモン!!」
ばっと岩泉さんがプレゼントの中身を出してバサッと広げる。
それは、まさかのサンタの衣装(女性用)だった・・・
当たった岩泉さんはワナワナと震えてるし、花巻さんは心底残念そうな顔してる。及川さんは爆笑して岩泉さんに怒られてる。
「岩泉、折角だし着てみろよ。花巻が用意したんだ」
「折角ってなんだよ!」
「そうだよ勘弁してくれよ、まずこんなちっちぇーの入んねぇだろ」
「お前がりおに着させるためにちっちぇーのにしたんだろーが!」
松川さんの提案をがん拒否する岩泉さん。うん、確かにそれは見る方も着る方も色々覚悟がいるからやめておいた方がいいと思う。
「りおとまっきーのプレゼント開けたから、次は・・・岩ちゃんの開けよ!」
「あ、じゃあ私だ」
他のに比べて小さいし、薄い。ほんとに薄いんだけど。
私はドキドキしながら中を覗いた・・・
中から出てきたものは・・・
「"スポドリ2リットル2ケース"?」
カード1枚程の大きさの紙にそう書かれてある。
岩泉さんは一度リビングから出ていき、帰ってきた時には両手に2つの段ボールを重ねて持ってきた。
「岩ちゃん、それなに?」
「"スポドリ2リットル2ケース"だ」
「スポコンかよ!」
素早く及川さんがツッコミを入れる。
「これしか思いつかなかった。あって困るようなもんじゃないしいいだろ。これお前が持って帰れよ」
「何っで俺!もっと持ち運びやすいのにしてよ!今日歩きだしっ」
「ごちゃごちゃうるせえクソ川。玄関置いとくからな」
こちらの"阿吽コンビ"の掛け合いは相変わらず。ごめんね、及川さん。荷物運び宜しくお願いします・・・と笑いながら思ってることは言えなかった。
「俺と及川、互いのプレゼントの送り合いみたいになったな」
「・・・確かに。どんな回し方したらそうなるか知らないけど、一緒に開けちゃう?」
気を取り直して及川さんが同意する。