第22章 Winter memory③
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ケーキのデコレーションはバッチリ出来た。苺とクリームを余すこと無くふんだんに使い、サンタの砂糖菓子で作られた人形も上に乗せてあげると、一気にクリスマスムードが出た。
「さっ。鍋も出来たことだし、乾杯すっか!」
五人がそれぞれ缶ビールをあける。プシュッといい音がなるそれを掲げて及川さんが口を開く。
「はーい、それじゃあ俺ら久々に4人集まった記念と、りおのことこれからよろしくって事で、メリークリスマース!!」
「何か色々混ざりすぎだろ」
「まぁいいじゃないか岩泉」
「そうそう。楽しく飲めりゃ、な?」
「ふふ、皆さんメリークリスマス!!」
そして5つの缶ビールがぶつかって、クリスマスパーティーが始まった。
岩泉さんたちの用意してくれた食べ物は全部美味しかった。
チキンにお鍋に、ケーキも程よい甘さでちょうど良い。
なによりお酒の回った及川さんたち4人のやりとりが面白すぎてお腹を抱えて笑うほどだった。
UNOをやればビリの人が顔にマジックで落書きをされたり、腕相撲大会では及川さん、花巻さん、松川さんが挑んでも岩泉さんに勝てることができなくて、3人はお腹に落書きされたり。
UNOやジェンガで私が負けると必ず及川さんがそのペナルティを受けることになってしまって、及川さんの顔は、申し訳ないけど、本当に面白い仕上がりになっていった。
「これ、会社の人らに見せたら絶交だからねりお」
「言わないよ・・・ぷふっ」
「何笑ってんの!あーもう、俺の自慢の美顔がァァァ」
ジャック・ス〇ロウ顔負けの髭を生やした及川さんは絶叫して頭を抱える。そんな彼に対してゲラゲラと笑う花巻さんや岩泉さん。静かに、でもずっと笑ってる松川さん。
あぁ、ほんと仲間っていいな。いつまでも家族みたいで・・・
「さぁーて?そろそろお待ちかねのプレゼント交換でもしますか!」
と、花巻さんは赤い包装紙に包まれたプレゼントをどん、とテーブルの上に置いた。
あ、そうか、このために私もプレゼント用意するように言われてたんだ!
全然男の人にあげるために買ったものじゃないんだけど、大丈夫かな?・・・大丈夫だよね笑
この人たちなら、許してくれそう、そう思いながら私もプレゼントをテーブルの上に置いた。