第22章 Winter memory③
ーーー・・・
「お、やっと来たか!」
「久しぶりだな、及川」
「はぁい、まっきーに松っつん!超絶ひっさしぶりだよね!元気してた?」
長身の二人。ピンクがかった茶髪の男性と、猫っ毛の黒髪の男性が玄関で迎えてくれる・・・及川さんに連れられてきたのは・・・
「荷物は適当にそこら辺置いとけよ〜、で、羽織もん脱いだらこっち来て手伝え」
懐かしい人が家の奥から顔を出す。
「岩泉さん・・・?」
一度訪れたことのある、岩泉さんの家だった。
暖房がきいていてめちゃくちゃ暖かいリビングに招かれると、
テーブルの上には
生ハムサラダ、ローストチキン、お寿司、そしてケーキ、あと、お鍋!?・・・様々なご馳走が並んでいた。
「この子が及川んとこの従姉妹か〜。俺、花巻な。及川から色々話聞いてるぜ、面白い居候がいるって」
「松川だ、よろしく」
さっきの二人の男性が私を囲む。
二人とも大きい・・・!
圧倒されつつも、私は花巻さんと松川さんに頭を下げる。
「りおです!よ、宜しくお願いしますっ!」
岩泉さんも、及川さんも長身だし、ここはまるで巨人の森だ。
私みたいな一般人、すぐ捕食されちゃうかも・・・!
小動物的勘が働いていた時、後から頭を小突かれた。
「なーに固まってんの。二人とも俺の高校のバレー部の同期だからそんな畏まらなくていいよ」
及川さんの言葉に私は目を丸くする。
「こ、高校の同期!?」
バレーの?及川さんの代は県で2位まで行ったことがあるって言ってた。
じゃあ、この二人もバレーめちゃくちゃ上手だったんだ。
「なんだなんだ、及川の従姉妹っつーから、もっとデカいの想像したな。こんな小動物みたいな子だったとは」
「あとちょっと高飛車な子とか、な」
デカいし高飛車!?どんなイメージ付けられてんの私!
「二人して何勝手なこと言ってんの。暗に俺のことディスってるようにしか聞こえないんだけど〜?」
「そんな事ねぇよな。お前を知り尽くしてるからこその発言だよな?」
「ああ、他意はない」
花巻さんと松川さんがニヤニヤと笑っていると、そんな二人に何か言いたげな及川さん。