第22章 Winter memory③
ーーー・・・
「・・・て、起きなよ、りお」
う、うう〜ん・・・
「早く起きなよ、寝過ぎて顔溶けてるよ」
!!
その声に私はばっと体を起こした。
見上げるとすぐ隣には及川さんの姿が。
ネイビーのチェック柄のジャケットに黒のパンツでまとめたイケメンスタイルでキメてる。
及川さんは腰に手を当てて私を見下ろしてる。
ていうかレディの部屋に勝手に入ってこないでよ。
「お、おかえり・・・」
「ん。てかおはようでしょ。昼に連絡してから既読ついてなかったし、一体何時間寝てんの」
へ?もう、そんな時間経ったの!?
私は部屋の時計を見やると・・・なんと6時過ぎ!
寝たのは1時位からだから・・・
「バーカ、寝すぎだよ」
及川さんに、ぴんと額をはねられた。
い、否めない・・・!
「はっ!洗濯物外に干しっぱだ!」
日中干していた洗濯が冷たくなっちゃう!私は慌ててベッドを降りた。
「ストップ。とりあえず、お前は出かける支度して。ラフな格好でいいから。洗濯物は俺が取り込んどく。俺も着替えるし」
「へ?その服で行かないの?」
「言ったじゃん、パーティードレスとか買わなくていいって。こんな服で行ったら、逆に笑われるよ」
私の腕を掴んで制止した及川さん。私はそんな彼を見上げた。
一体どんな所へ連れていってくれるんだろう。
とりあえずラフな格好って事は・・・
ニットのセーターとかでいっか。
「じゃあ、着替えるね?」
「ん。40秒後に下ね」
「またラ〇ュタなの!?」
とにかく私は眠っていた時間を取り返すために、めちゃくちゃ急いで出かける準備に取り掛かったーーー・・・