第22章 Winter memory③
《Winter memory③ 》
ーーー・・・
街中のイルミネーション、サンタの飾り物、ツリー、リースの煌めきはピークを迎えていた。そう、今日は・・・
クリスマス当日。
子供たちが朝起きると枕元にプレゼントがあって、そのあとチキンやご馳走や、ケーキを食べて幸せな時間を過ごす・・・だけど、
私にはケーキもプレゼントもない〜!
少し肩を落としながら、私は出来たての洗濯をハンガーにかけて干していた。
そんな昼下がり。
及川さんは、私が起きる頃には例の社長令嬢とデートに出かけてしまっていて、私はぽつんと家にひとりでいる。叔母さんは仕事だし・・・
これが俗にいうクリぼっちってやつなのかな。
夜は及川さんに言われていた通り、空けてるんだけど、家では食べないって言ってたから、ご飯も作れない。それに・・・
"出かけるって言ってもドラマで出てくるような所には行かないから、俺と出かけるからって張り切ってパーティードレスとか買わないように!"
って及川さんに言われていた。
いや別に、張り切りはしないけど・・
いつも、いきなりあそこ行くよ、ここ行くよって連れ出してた及川さんが、折角、前もって空けといてって言ってくれたんだから、
一体どこに連れていってくれるんだろうと気になっていた。
かっこつけな及川さんの事だから、夜景の綺麗なレストランとか想像してたけど、違うみたい。
どこ行くの?って言うと及川さんは相変わらず、内緒って言うから・・・全然検討つかないんだけど。
でも、今頃は美人な令嬢とデート中なんだろうなぁ。
私なりの頑張り方で頑張るって言っても、
気になるもんは気になっちゃうよね、女だからさ。
あーやめやめ!また色々余計な事考えちゃうんだから!
今日は家をピカピカに掃除して、それから少し昼寝しよう!
そうして時間を過ごすしか他にないし、早速私は腕まくりをして窓拭きから取り掛かることにしたーーー・・・