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おかえり〜I'm home〜(R18)

第20章 Winter memory①





及川side


ーーー・・・



昨日の晩、遠征から帰ってきたらりおは赤い顔でおかえりを言ってきた。どこかふわふわした言動で様子もいつもと違ったから、体に触れてみるとびっくりするほど熱かった。

"風邪じゃなくてちょっと寝付きが悪いだけだからっ"

と言って病院には行かないりおに、何で寝不足なのか聞いてみた。俺のことを見て、言葉を濁すりおに理由を詰め寄ると、どうやら俺が元気がない様子を見て、自分に何か出来ないか考えていた、らしい。・・・はぁ。


考え込んで三日も寝れない!?
お前どんだけ俺のこと好きなんだよ!
・・・って、俺の隣で子供みたいな顔して眠るりおを見て思った。

ほんとさ・・・

「馬鹿だよね・・・お前って・・・」

他の女の子みたいに、何も知らないまま、
きゃー!及川さーん!とか言ってるだけでいいのに・・・
何も傷つかずに、ただの従姉妹でいれば・・・。

なのにこんなに踏み込んじゃってさ。
って・・・俺が踏み込ませたのかな?

兎に角、ただの女の子なら・・・
こんなに特別な感情、抱かなかっただろうな・・・

人混みの中でも、その存在に気付かずに通り過ぎてしまえたのに・・・
今じゃいつだって、お前のそそっかしい姿探してる、
なんて、口に出して言ってやんないけどさ。


でも、そんなお前に俺は心配かけてたんだね。
お前がそんな風に見てたなんて知らなかった。

ほんと、お前は俺を孤独にさせないのが上手いよね。
参ったよ・・・


「いつまでもくよくよしてらんないよね・・・」


思い出はあの夜に、全部置いてきたから。

俺にはバレーがある。リーグも始まった。
プロとしてバレーに専念できる俺は、
俺のやるべき事を、全うしなくちゃ、ね・・・


そう思って、俺は座椅子にもたれ掛かってノートパソコンで昨日の試合の映像を見始めたーーー・・・




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