第20章 Winter memory①
「気にかけてくれんのは、嬉しいって思ってっから。・・・ありがと」
その言葉に、私は胸がじんわりと暖かくなるのを感じた。
そして胸に刺さっていたものが溶かされた気がして気持ちが安らいだ。
その言葉が、きっと本心だと思うから・・・安心できた。
彼はカッコつけたがりだから、普段私にはこんなこと言わない。
滅多に言わないからこそ・・・言葉の意味は大きいとわかる。
「へへへ・・・」
自然と、頬が緩む。
「何変態みたいに笑ってんの。夢に出てくるから早く寝な」
「ひどっ!」
及川さんが毛布を私の顔に被せた。
もー。
ごそごそと毛布から顔を出した時、もう及川さんはこっちを向いてはいなかった。
代わりに、耳までほんのりと赤く染まってるのは・・・
気のせいじゃないよね?
私は彼に気づかれないようにこっそりと微笑んで、夢の世界へと意識を手放した・・・ーーー