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おかえり〜I'm home〜(R18)

第20章 Winter memory①





「ほんとに嬉しくない?」


及川さんは寝ている私に覆いかぶさるように手をついて、悪戯っぽく微笑んだ。

「熱出して会社休めるわ、昨日試合だったから今日は一日オフな俺を独り占めできるわ・・・超嬉しくない?」


出た。久々のナルシスト発言。

「会社の人に迷惑かかってるし、嬉しくないです・・・」

「ちょっと、及川さんの独り占めの話はスルーなの」

・・・及川さんたちのチームは先日今季のリーグが開幕した。リーグのある内は、元々量の少なかった仕事がもっと減り、一週間まるまる、バレー中心の生活になる。

火曜日から木曜日までは一日練習、金曜日は各地で試合をするのでその移動日、土日の試合を経て、月曜日は丸一日休養というサイクルになるらしい。

めっきり会社で及川さんの姿が見れなくなるのは仕方ないが、本業であるバレーの試合は頑張ってほしいな。
試合も、近辺でやることがあるなら見に行きたい、そう思っていたのに・・・

「ま。いいや。兎に角、お前は早く寝て熱下げること。いい?」

及川さんは体を起こして、ベッドに背中をついた。

「・・・ほっといても治ります」

「じゃあ無理しないこと。別に感染とかじゃないんだから、俺ここに居てもいいよね?」

「え・・・?」

及川さんはいつ持ってきていたのか、自身のノートパソコンを開き出した。

「お前が俺のこと、元気ないって言ったんでしょ?及川さんはこの通り、昨日の試合観てるから、お前はさっさと休みな」


・・・他の部屋でいるとまた私が心配するから、ここにいてくれるのかな・・・


「うん。・・・分かった」


彼がそばに居てくれると、安心する。
案外私って寂しがり屋かもしれない。


「じゃあ少し・・・休んでもいい?」

「どーぞ」


元々熱を出しているわけだから体は熱くて、眠気はすぐにやってきた。

ここ最近・・・本当に眠らなかったから・・・。
目を閉じても浮かぶのは彼の顔ばかり。

力になりたい・・・、
どうすればいいの・・・、
笑ってほしい・・・。

本当に私、及川さんのことばかり考えてる。
自分でも呆れちゃうくらいに。


「・・・りお」

「・・・ん・・・?」

とろとろと、半分夢の中へ足を踏み入れていた時、及川さんが背中越しに振り向いた。

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