第18章 Autumn memory④
《りおside》
ーーー・・・
東京から仙台へ帰る新幹線、私はいつの間にか眠っていた。
パチッと目覚めると、隣の及川さんと目が合う。
私、彼の肩に寄りかかるようにして眠っていたんだ。
「ごめん・・・重かったよね」
「うん、もう筋肉痛だよ」
「もう・・・そこは全然大丈夫っていう所でしょ」
ふぁぁと欠伸をする。胸元で、昨日貰った薔薇のネックレスが揺れる。
「おじいちゃん、私たちのことは覚えてなかったけど、元気そうでよかったね」
「そうだね。意外とペラペラと話してたし、当分元気かも」
「ふふ、そうだね・・・」
この三日間、本当に充実したなぁと振り返りながら及川さんを見る・・・
「今回は、私の誕生日プレゼントって事で良かったの?」
「ん。お前、何か欲しい?って聞いても何も要らないって言いそうだったから、叔母さんに聞いて、色々と計画した」
確かに、プレゼント何が欲しいって言われても、何も思いつかなかったと思う。
だけどこんなに豪華な三日間がプレゼントなんて・・・嬉しいけど、正直萎縮しちゃうよ。
だって私・・・あなたの恋人でもないから。
(でも、昨日は凄い恋人らしいことしたなぁ・・・)
ペアの服装をして、アトラクション乗ったり、一緒に写真撮ったり・・・楽しかったなぁ。
「なーに、ニヤついてんの」
むにっと、また頬を摘まれる。ほんと人のほっぺた摘むの好きなんだから。
「へへ」
この三日間が濃すぎて、余韻がまだまだ消えない・・・
文字通り夢のような三日間だった。
「お前のそう言う顔が見たかったんだよ」
「へ・・・?」
及川さんは少し照れくさそうに、前の机に頬杖を付いて口元を隠した。
「その呑気そうに喜んでる顔が見たかったっつってんの。いい加減俺の言いたいことわかりなよね、ばーか」
そう言って窓の外を向いてしまった。
窓が反射して及川さんの顔が見えるけど、耳まで真っ赤で、こっちも恥ずかしくなる。
「うん・・・ありがとう、及川さん」
ドキドキと心臓が高鳴る。
幸せだ・・・本当にーーー・・・