第17章 Autumn memory③
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何かと及川さんは私を太ってるキャラに仕立て上げるけど私そんなに太ってないし!このワンピースだってすんなり入ったし!
もうっ。まぁ・・・楽しいからいいんだけどね。
言い合いながらも及川さんといると笑顔が絶えない。
急流滑りのアトラクションが終わって、出てきた写真の及川さんはイケメンとは程遠いほど怖がった表情が撮れていて、声が出ないくらい笑った。
記念に写真を買おうとしたけど、必死な顔で阻止してきた及川さんがいてそれはそれで笑えてきた。
「お前ほんっと笑いすぎ、性格悪」
「及川さんに言われたくないし!」
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パーク内のお化け屋敷の前では、及川さんはより一層イケメンからは程遠いキャラになっていた。
「絶っったい入んないからね!」
「違うって違うって!これ、今、イベントでいつもとは違う仕様になってるやつだから、怖くないよ」
ずーっと前の私の記憶が正しければ、このアトラクションはいつものお化け屋敷とは違って(まぁ通常でも全然怖くないんだけど)、可愛い骸骨のキャラクターたちが中で待っている。私これが大好きで1日で3回も乗ったなぁ。
でも怖いものが嫌いな及川さんは1ミリも信じてくれない。まぁ無理もないよね、前にショッピングモールで入った小さなお化け屋敷でもすこぶるビビってたくらいだもんね。
「本当に大丈夫だってば〜」
笑いたいけど、必死に堪えながら及川さんを説得する。
「本っっっ当に怖くない?血塗れの髪の毛長い女とか出ない?」
「出たら夢の国じゃないでしょ?だーいじょうぶ!」
「もし怖かったら、お姫様抱っこだかんね?」
それは絶対大丈夫だから、私は臆することなく頷いた。絶対の自信がある私の様子に、少し興味を持ったのか、及川さんの足はアトラクションを並ぶ列の方へ動いた。やった!
「怖かったらお前一生恨むから」
「はいはい、怖くないから大丈夫でちゅよ〜」
「なーんで子供扱いしてんのさっ!」