第17章 Autumn memory③
なんだか・・・もう泣きそうだよ。
夢みたいで・・・
そんなこと言ったら、また及川さんに意地悪されそうだから言わないけれど、とにかく私は今一番伝えたい言葉を及川さんに言った・・・
「ありがとう・・・っ、及川さん」
すると及川さんは満足げに微笑んで、私の頭を撫でた。
「はぁい、それじゃ・・・」
及川さんは私に手を差し伸べた。
まるでダンスを誘うように・・・
私は導かれるように彼の手に私の手を恐る恐る乗せた・・・
「行くよ、お姫様」
繋がれる手に、確かな温もりを感じる。
幸せを感じる。ああ、やっぱりこの人が大好きだ・・・
彼に手を引かれながら、私たちは夢の国へと足を踏み込んだ。