第17章 Autumn memory③
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東京旅行二日目。今日もこのホテルに泊まるらしく、殆どの荷物は預けてきた。
身軽になった私はまた、行き先を知らないまま及川さんに連れられ電車に乗った。そしてたどり着いた駅は・・・
「夢・・・かな・・」
私は信じられない顔で及川さんを見上げる。
「夢だって思うなら、俺がお前のほっぺた抓ってあげるよ」
「いやいいです」
私の頬に手をかけようとした及川さんの手首を掴んで制止する。
そして再び、舞浜駅と記された看板と、そこで流れる音楽を聴いて、夢じゃないんだと実感する。
夢じゃない。でも・・・
「夢の国ー!!」
大好きな東京ディズニー〇ゾート!
別名夢の国とも呼ばれるそこは、今私の目の前にあった!
「叔母さんに聞いたら、東京住んでんのに高校生くらいの時にしか行ったこと無かったんだって?」
「そう!大学生の時はオーストラリアに留学するためにお金貯めてたし、社会人になっても日本にいなかったから、ほんと久しぶりなの!」
テンションが上がりすぎてしんどい。
本当に久しぶりの夢の国だ。
及川さん、私が久々なのも知ってたんだ・・・
「で、どっちに行く?」
「え、私が決めていいの?」
滅多にない及川さんから与えられる選択肢(笑)に私はきょとんとする。
「ばーか。誰のためにここまで来たと思ってんの」
「私・・・ですよね?」
「なんで疑問系なの。どんだけ自信ないんだよ」
むにっと、頬を摘まれる。
私は頬を及川さんに摘まれたまま考えた・・・
「じゃあ・・・本当に久しぶりだから」
「うん」
「ラ〇ドが良い!」
そう答えると、及川さんはふっと微笑んだ。
「言うと思った・・・」
じゃあ、と及川さんは持っていた(ずっと気になってた)中身の見えない袋を私に渡した。
「何、これ・・・」
「他の人に迷惑かかんないように、40秒で着替えておいで」
「ラ〇ュタですか!?」
「ほら、つまんないこと言ってないで早く行ってきなよ」
及川さんに強引に持たされた袋を持って背中を押された。訳の分からないままそれを持ってトイレに入り、中身を見ると・・・
「え・・・」