第17章 Autumn memory③
それから暫くまた話をして、気づけば四時過ぎになっていた。
「じゃあお母さん、これからパート行かなくちゃ行けないから、ここで失礼するわ」
「そっか、今日お仕事なんだね。頑張ってね」
「うん、ありがとう。体に気をつけるのよ。徹くんも、今日は本当にありがとう。りおに誕生日プレゼント渡せて本当良かった」
「こちらこそ、ご馳走してもらってすみません、ありがとうございました」
及川さんは礼儀正しく頭を下げる。
「いいのよ、叔母さんが行きたいって言ったんだし。・・・これからも、りおのこと宜しくね。悪い虫がついてたら払ってあげてね」
「結構危なっかしいけど。俺が見張ってるんで大丈夫ですよ。安心してください」
「ふふ、徹くんがいてくれて本当に良かったわ。りお、徹くんみたいな優しい人見つけなさいね」
もう、お母さんったら。
「もう分かったから。ちゃんと彼氏できたら紹介するから!」
「そうね、期待してるわね。それじゃ、今日はありがとう」
そうしてお母さんとの食事会は終わった。電車のホームまでお母さんを送ったあと、及川さんはニヤリと口端を上げた。
「及川さんみたいな優しい人だって。叔母さん見る目あるねぇ」
「優しい人っていうのが引っかかる・・・」
でも、いつか言いたいな・・・
私の好きになった人は・・・今隣にいる人なんだって。
恋人になれるかはわかんないけど、この気持ちに嘘はないから・・・
「さ。次の所行こっか」
「え?次はどこいくの?」
「お前の行きたいって言ってた所」
???