第15章 Autumn memory①
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私たちは場所を移動して、談話室へと来ていた。
そこで改めてお互いの関係、
私と及川さん、
私と大地さん、
及川さんと大地さんの繋がりを教え合った。
「まさかりおが及川といとこだなんてな。それに一緒に住んでるとか、スガも聞いたら驚くだろうなぁ」
「いやいや、私もびっくりですよ。二人、高校時代に対戦した事あるなんて!」
大地さんとスガさんが宮城出身なのは知ってたけど、そんな事思いもよらなかったよ。
「ほんと、何の因果だろうね。あの頃は俺ら、主将君のチームに負けて引退したんだよ」
「そうだったの!?大地さん、すっごく強かったんですね!」
「俺じゃなくて他の連中がな。個人のスキルだったら、圧倒的に及川の方が凄かったよ。現に今もプロでバレーをしてる。リーグ優勝チームの司令塔なんて凄すぎだろ」
他の人から聞くと改めて及川さんの凄さがわかるな。
一度及川さんのバレーを見たことあるけど、大地さんが言った意味がわかる。本当に凄い選手なんだな。
「いやいや、俺の方こそ、烏野を纏めてた主将君の方が尊敬に値してたけどね。主将君の堅実なプレーがあったから、あの時春高まで行けたんだと思うよ」
及川さん、珍しく営業スマイルじゃない。心から言ってるんだなって、目でわかった。及川さんに尊敬されるとか・・・私が100人集まっても可能性低いや。
でも、何かいいな、こういう青春の昔話ができるって。
大地さんは相変わらずなんか、大きい。
安心する。あの頃の憧れていた気持ちが思い出として蘇ってきて、くすぐったい気持ちになった。
「でも、二人が同棲してるなんてな!」
「ど!?」
「同棲じゃないから、同居だから」
ピシャリと及川さんが言い切る。
「なんだ、似たようなもんじゃないか。一つ屋根の下に住んでるんだから」
「いやいや、俺の母さんも居るからね?こいつと二人とか体がいくらあっても足りな・・・いただだだた!」
すかさず及川さんの横腹を抓った。
「はっはっは、仲良いじゃないか。良かったな、りお。及川の従姉妹なんて自慢したいよ、俺」
「でっしょ?流石主将君っ。ってわけで俺にもうちょっと優しくしなよね」
「はぁ・・・」
いつもの調子の彼にため息をつく。