第14章 summer memory⑨
中央広場の入り口付近で、見知った二人組を見つけた。
あぁ、きっとそうだ。
なんだよ、二人距離近くない!?
「りおーーー!!!」
俺は、名前を呼んだ。叫んだ。
二人が振り返る。
1人は・・・りおは驚いたように目を丸くしていた・・・
「及川さん!?」
俺の名前を呼ぶ。小さな、小さな唇で。
「りお、行くよ。国見ちゃん、ありがと」
りおの手をとると、俺はすぐに踵を返した。
「えぇ!?」
りおは慌てふためきながら、俺に引きずられるように付いてくる。
「はい、お疲れ様です、及川さん」
背中で国見ちゃんの声がしたから、見ずにヒラヒラと手を振り返した。
・・・ダメだから。
いくら可愛い後輩でも、やれないもんはあるからーーー・・・