第14章 summer memory⑨
その時・・・・・・
ピロリン、ピロリン♬
「!」
メッセージを受信する音と振動。
俺は人混みの中で立ち止まって、スマホを開いた。
りお!?って思ったけど、どうやら差出人は国見ちゃんからで・・・
「え・・・?」
メッセージの内容を開いて絶句する。
「・・・くそ!」
俺は再び駆け出した・・・
"お疲れ様です。俺今、金田一待ってたら北村さんいて、泣いてるんですけど何かありましたか?今、出店から外れて中央広場の近くに一緒にいます"
"もしあれでしたら、俺が北村さんとまわりますよ"
そんなんダメに決まってるじゃん!
国見ちゃん、さっきりおのこと可愛いっつってたじゃん!
これを機にりおと親密な関係になろうって思ってるよね!?
下心も男心も、及川さんにはバレバレだっつーの!!
それに、なんだよりお。
待ってて、いま、会いに行くから・・・
会ってちゃんと言うから・・・
泣くなよ。
夏の夜、俺はじっとりと汗をかきながら、
中央広場へ走ったーーー・・・