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おかえり〜I'm home〜(R18)

第14章 summer memory⑨





「じゃあ、俺から及川さんに連絡入れといてあげるよ」

「え?いいの?」

「とりあえず早く合流できた方がいいんじゃない?」

その通りだと思う!トイレはここから少し距離があるし・・・先に合流した方がいいかも!

「そうだねっ、お願いします!」

国見くんのお言葉に甘えよう。
早速素早く自分のスマホを取り出して及川さんにメッセージを送ってくれた。


暫くして国見くんは、何故かじいっと私を見つめた。

「・・・・・・?どうしたの?」

すると国見くんは若干、本当に僅かに口端を釣り上げて笑った。

「いや?世話の焼ける人だなって思って・・・」

「へ?私?ごめんねっ」

「いや・・・北村さんの事じゃなくてさ・・・」

・・・?誰のこと言ってるのかな・・・

これ以上聞いても、きっと国見くんは答えてくれなさそうだから、変に言及しないでおいた。


「そう言えば、帰らなかったんだね!何か忘れ物?」

「いや、中学高校のバレーの同級生から連絡が来て、久しぶりに祭り行きたいって言い出したから、今、俺もそいつ待ち」

「へー!そうなんだ!じゃあ私たち、二人とも待ちぼうけ組だね!」

「俺はそうだけど、北村さんはちょっと違う気がする・・・」

「そ、そうかな・・・」


そうだよね、この件に関しては私が携帯を置いてきちゃったから悪いよね。及川さんと合流したら、ちゃんと謝ろう。


「そ、その同級生って、及川さんにとっても後輩ってことだよね?」

国見くんが及川さんの中高の後輩であるように、その人もそうなのかな?

「うん、そう。・・・北村さんの口からは、やっぱり及川さんの名前が出ること多いね」

国見くんは手に持っていた水の入ったペットボトルを一口飲んだ。


「そ、そうかな・・・そうかも。・・・ご、ごめんね、何かいつも相談乗ってもらってるし」

確かに・・・国見くんの前で彼の名前を出すことが多いかも。私の気持ちを知っているからって言うのもあるけど・・・流石に耳にタコだよね。

「いや?俺は別に構わないけど・・・ただ・・・」


もう一口、水を含んでから私を見つめる目は、どこかいつもと違う気がした・・・



「いつでも北村さんに想ってもらえてる及川さんが、羨ましい・・・」

「・・・え・・・?」




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