第14章 summer memory⑨
嫌味を込めて、言い返す。
「じゃあ国見ちゃんと付き合えば?俺よりも優しいし、欲しい言葉だっていくらでもくれんじゃないの?」
及川さんの口調も荒ぶる。
どうしたんだろう・・・
私のこと、見ようとしないし
顔は赤いし、
私の気持ち知ってる筈なのにこんなこと言ってくるし・・・
今日の及川さん・・・何か変だ。
何だかすっごく、胸が痛い。
「あーそうですね!そうしようかな!」
売り言葉に買い言葉。
これ以上続けたら、折角一緒に回るはずだった夏祭りが台無しになってしまう。
私はくるりと及川さんに背中を向けた。
「ちょ、帰んの?」
は・・・?帰らないし!
「トイレ!」
私もちょっと頭冷やしてこなくちゃ。及川さんの顔は一切見ずに、私は走り去ったーーー・・・