第13章 summer memory⑧
「〜〜〜っもう、ダメっ!終わり!」
恥ずかしさが限界に達したのか、一瞬にして口の中から指が引き抜かれる。
あーあ、残念。でも、りおにしちゃあ、随分頑張ったね。
顔を真っ赤にして俺を睨むように見るりお。
「からかい過ぎた?ごめんごめん。でもさ、こんな風に誕生日祝って貰ったことないし、嬉しいよ、ありがと」
「え・・・」
「で、も、ね?」
俺はりおの額を、指先でピンと弾いた。
「いった・・・」
額を抑えて痛がるりお。
「こんな高台の公園に夜一人で来るとか危ないって考えなかった訳?」
「う、・・・」
「お前、一応女なんだから、ほんと無茶だけはやめてよね。田舎だけど、良い奴ばっかじゃないし」
これは俺の本心。岩ちゃんとの電話が繋がらなかった時、りおが1人でいるかもしんないって思ったら、不思議と早く公園についていた。
こいつ無防備だし、ちっちゃいから・・・ほんと、危なっかしい。
酒飲んで酔っ払った時なんか、ガード緩すぎだから。
「・・・ごめんなさい」
俺の言葉に納得したのか、しゅんと肩を落とすりお。
「あーあ、そんな顔させたくて言ったんじゃなくてさ・・・」
くいっとりおの顎に手を添えて上を向かせる。
「今度は当日に・・・みんなでわいわいしながらやろうよ。家で飾り付けとかして、さ」
お前の気持ち、伝わってるからさ。
落ち込んでた俺のこと、心配してくれてたんだろうね。
ちゃんと気持ち、わかってるから・・・
だから、今度は一緒に・・・
そう言うと、りおは嬉しそうに、笑顔を見せてくれた。
「うんっ!」