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おかえり〜I'm home〜(R18)

第13章 summer memory⑧





りおの表情が、コロコロと変わる。

目が合ってドキッとして、
俺の首元で光るネックレスを見て、
少し考えて、
そして目をそらして、
意を決して、
俺を見つめて、

そしてはにかんだ笑顔を見せた。

「すっごく似合ってる!ありがとう!」


その、突然に咲いた笑顔は俺の思考を停止させるには十分すぎた。


(何で・・・いきなり女の子らしいこと言うの・・・)


りおが本当の意味で優しいことは知ってるけど、普段は意地張ってあまり見せてくれないのに・・・


俺のためにプレゼントを買って、
ケーキを作って、
キャンドル用意して・・・そんな事されたら喜ばずにはいれないじゃん。

柄になく照れちゃいそうになる。
俺はそれを隠すようにりおの手の中にあるケーキをひょいと取り上げた。

「・・・・・・・・・?」

不思議そうに俺を見つめるりお。そんなりおの顔の前に、ケーキをずいっと差し出す。

「??何?」

「これ、俺のバースデーケーキ、でしょ?」

「うん」

「今食べたい」

するとりおはあっと、声を漏らした。


「じゃあお皿とフォーク、あっちにあるから取ってくるよ」

「いや、いい」


ベンチに置いてあるカバンの中に入ってんのか、そこへ行こうとしたりおを声で制した。そしていいことを閃いてニヤリと口角を上げる。


「りおが食べさせてよ」

「・・・・・・・・・・・・どうやって?」

結構間があったな。

「手に決まってんじゃん」

「ええっ!?」

「俺のために作ってくれたんでしょ?だったらりおがあーんしてくんないと誕生日感でないよ」

「100歩譲って食べさせるのはいいけど、手で?!」

「そうだよ。ほら、俺早く食べたい。その花って食べれんの?」

そうしてケーキの上に散りばめられた彩豊かな花びらのことを指す。何かさ、ほんと、こういうもの作る所は女の子らしいよね。


「食べ・・・れるけど・・・」

「ん。じゃあ花から食べさせてよ」

りおは恥ずかしそうに目を伏せた後、俺の手の中のケーキから花びらをそっと摘んだ。


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