第13章 summer memory⑧
及川side・・・
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ここ最近、どうもりおの挙動不審具合が目立つんだよねー。
まぁ元々、スナックのお姉さんみたいな落ち着きとか色気とか皆無だったんだけど、最近やばい。
何かソワソワしてるし、俺を見る頻度が多い。
最初は、え、なに?好きなのは知ってるんですけどって思ってたんだけど、その視線が色目とか女の目とかじゃなくて・・・観察するようなもので、俺も気付かないふりをしてるのに苦労した。
今朝だって、4時すぎに1回トイレ行ったらそんな時間からキッチンに篭って何かしてるのを見かけた。俺に内緒にしてんのは何となく分かったから特別声はかけなかったけど・・・
(また新人研修のときみたいに頑張りすぎて身体壊さないといいけど・・・)
そう思っていた矢先、遂にりおからアクションがあった。
「ねっ、及川さん、今日練習終わったら暇!?ですか!?」
・・・なんで今更敬語?
興奮気味な彼女の目を見る。
「・・・予定は無いけど、なに?」
「じゃあ空けといてね!今日だけは絶対!飲み会とか行かないで!」
「・・・俺そんな合コンとか行ってないかんね?」
寧ろお前と知り合った日から行ってないっての。
・・・色々トラウマ過ぎて。笑
「じゃあ、絶対、空けといてね!!」
りおのわくわくした瞳が俺を映す。
この目、知ってる。母さんの誕生日にご飯作ってる時や、青城の後輩達に差し入れ作って時もこんな目をしてる。
まぁさ、なんでもいいけど、この瞳は嫌いじゃないから・・・
「へーいへい」
ほんのちょっとだけ、楽しみにしながら、練習に取り組んだ・・・。