第13章 summer memory⑧
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後日、仕事終わりの私は家の近くのショッピングモールに来ていた。
そしてとあるお店に入り、品を見る。
(色々考えたけど・・・今回はこれでいこう!女子らしいプレゼントとかとは全然かけ離れてるけど・・・)
両想いならもっと遠慮なく色々あげたりできるけど、
片想いの現状で、渡せるものを考えた・・・
もう、これで行く!
私はその品を持ってレジへ並ぶ。
「あ、プレゼント用に、ラッピングしてくださいっ」
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次に向かった先は、100円ショップ。
(誕生日過ぎちゃったならもうしょうがない!その代わり、サプライズでお祝い出来るし逆に喜んでくれるかもっ)
またまたとある品を大量に購入する。爆買いは、100円ショップの醍醐味だよねっ
よし、それから・・・
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「卵、砂糖、バター、小麦粉・・・あとは・・・」
「何してんの?」
「ぎゃおっ」
メモを片手にスーパーをうろついていると、突然耳元で声をかけられた。飛び上がり後ずさると、Tシャツにハーフパンツ姿のTHE 夏!オレン〇レンジのバックミュージックがかかりそうなスタイルの及川さんがいた。
「もうちょっと可愛らしく驚けないの?お前って」
「ちょ、何でここにいんのっ」
メモの中身が見られていないかドキドキしながら、私は及川さんを見上げる。
「母さんが、りおに買い出し頼んだのいいけど夜道暗いし、危ないから練習帰りに迎えに行ってやれって」
「叔母さんが・・・?」
叔母さん・・・気持ちはとっても有難いですけど、今日はタイミングがちょっと悪かったみたいです、ごめんなさい・・・。
「ん。買うもの、これで全部?」
スっと及川さんが私が持っていた買い物かごを持ってくれる。
「あ、あと牛乳と生クリームだけ」
「それならあっちだよね、行くよ」
良かった・・・中身がケーキの材料ってことには気づかれてないみたい。
(絶対驚かせてやるんだからっ)
私の少し前を歩く及川さんの背中を追いながら、私は準備したものを組み合わせた、誕生日サプライズを決意したーーー・・・