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おかえり〜I'm home〜(R18)

第12章 summer memory⑦





監督の話を聞き終え、シューズを鳴らした高校生が並んで挨拶に来た。

「あざしたーっ!!!」

礼儀正しく頭を下げて、顔を上げた時の高校生の顔は爽やかで、3日間の充実さが滲み出ていた。

そして、何より及川さんを見る目がみんな憧れの眼差しに溢れている。

及川さんは、ふっと口角を上げた。
目付きが、目の色が・・・変わる。


「お疲れ様。確か出発するのは明日だったよね?」

「はいっ!」

「そう。なら、もう個々のスキルが今から伸びることなんて無い。このチームは、全国に名を連ねるチームに比べて平均身長も高いわけじゃない。絶対的なエースがいる訳じゃない。だけど、これだけは忘れないで欲しい・・・」


すぅっと息を吸って、迷いなく口にする。


「バレーは、6人で強い方が強い。

青城バレー部創立初のインターハイ・・・俺たちが高校生の時に見られなかったあの景色を、楽しんできてね」


プロ選手としてではなく、1人の卒業生としての言葉・・・

岩泉さんや国見くんの目を見ればそれに共感するように頷く。

嘘や偽りは一切なく、高校生たちにも響いたんだろう。

あぁ、仲間っていいな、

青春って・・・、
スポーツっていいな・・・


「あざしたー!!!」


そうして3日間に渡る練習のお手伝いは、

幕を閉じたのだったーーー・・・



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