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おかえり〜I'm home〜(R18)

第10章 summer memory⑤





ーーー・・・


射し込む初夏の日差しに目が覚めると、抱きしめていた温もりは忽然と消えていた。

「・・・・・・」

俺自身にかけられた布団から体を起こして、自分の手元に視線を送る。

あのまま、眠っちゃってたのか・・・

昨夜の記憶が鮮明に蘇ってくる。
夢じゃない。何もかも・・・


「・・・っは、どんな顔して、あの子に顔合わせればいいの」

俺の私利私欲で抱いてしまった。
全く関係の無いりおのこと。

あの優しさに、甘えてしまった。

事が終わったあと、あんなに偉そうに決意を顕にしたのに、いざとなると、待ち構える現実に逃げ出したくなる。

現に今、隣にあの子がいないのが、こんなにも胸を締め付ける。

当たり前か・・・最低なこと、したんだからな
当然の結果なのに、俺ってこんなに弱くなってたのかな・・・


自分が情けなくて、もう一度布団に背中を預けて天井を見上げる。



「幸せになりたい・・・」


そんな漠然とした願いをただ口にした・・・


すると、



「・・・ん・・・・・・?」


僅かに開いた部屋の戸。そこから微かに香るいい匂い・・・


「下から・・・?」



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