第10章 summer memory⑤
私の胸のすぐ側で体を支える及川さんの腕に、触れ、刺激に耐える。
気を抜けばすべて持っていかれそうで。
「はっ、ぁ、ぁん、んっ、あ・・・っ」
ぱたぱたと、
及川さんの顎から滴り落ちる汗が、さっきまで愛撫されていた胸元へと落ちていく。
熱い・・・熱い・・・
彼に溶かされていく。こんなに、激しく。淫らに。
「はっ・・・はぁっ・・・・りお・・・ごめん・・・っ」
及川さんが謝るたびに、心が締め付けられる。
何も、謝ること、してないじゃない・・・
そう伝えたくて、
「いい、から・・・っ、」
それしか言えなくて・・・。
腰を打ち付ける衝動が激しさを増す。
縋るように彼の背中に腕を回して、肌を重ね合わせる。
どちらの汗かもわからないくらいにピタリとくっつく・・・。
激しい揺動とは裏腹に、そっと頭を撫でてくれる手は優しくて・・・
重なる熱い唇に、涙が溢れる。
あぁ、好きだ。
彼に、伝われ・・・
ひとりじゃないんだと。
目の前のあなた以外、
どうだっていいんだと。
苦しいこと、辛いこと、
私が受け止めるから。
噛み付くような口付け。
熱い結合部が快楽の絶頂へと誘う。
「あっはぁ、あ、んんっ、ぁっ・・・も、・・・だめ・・・っ」
私が2度目の絶頂を迎えるのとほぼ同時に及川さんも私の中で欲を放った・・・
「はぁ・・・っ、りお・・・・・・!」
及川さんの熱に浮かされた、そして苦しそうな顔・・・
それを見ながら私の意識は次第に遠のいていったーーー・・・