第10章 summer memory⑤
涙と汗でぐしゃぐしゃになった顔で、私は及川さんを見上げる。
彼はまだ肩で息をしている私の片足を持ち上げて、自身の肩にかける。
「・・・りお・・・」
「あっ・・・」
彼の熱が、私の秘部に宛てられている。
下着の中で、大きく主張しているそれに、私の体は震えた。
「・・・いい・・・?」
こんな時に、そんなことを聞くのはずるい。
「ん・・・・・・」
私はこくんと、頷いた。
これから起きる事を想像すれば、息をすることも忘れてしまう。
彼の姿が色っぽくて、かっこよくて・・・
だけどこの行為に、"相愛"がないことは・・・わかっている。
だけどそれでいい。
彼が少しでも、あの女の人のことを忘れて救われるなら・・・っ
「来て・・・及川さん・・・」
及川さんは自身の服と、下着を脱ぎ去る。
避妊具をつけ、昂ったその熱を私の秘部に宛てがい、入口で浅く、出し入れする。
その小さな熱ですら、心地よくて、うっとりと目を伏せる。
「あぁ・・・ん・・・っ」
ずぷ、と彼の熱が奥へ、奥へと入ってくる。
熱くて大きな質量。確かな存在を、自身の膣内に感じる。
大きく広げられた脚の間に、彼の体が入り込み、前のめりに倒してくる。そうすることでより深く、熱は届く。
「あ・・・ん・・・ぁ・・・」
最後まで入り切ると、及川さんの手が、布団に無造作に置かれた私の手を取り指を絡める。
コツンと額を合わせ、どこもかしこも、彼と交わる。
は、は、と、慣れるまでの間短く呼吸する及川さん。
あぁ、私、今、彼と繋がってる・・・
「痛く・・・ない・・・?」
「うん・・・」
痛くて、よかったのに・・・
このまま、壊れるくらい、彼が私を好きなだけ抱けばいい。
それで救われるなら、私は何度でも・・・何度でも抱きしめるから。
「動いて・・・いいよ・・・」
私から、キスをした。他の人を忘れられないあなたに・・・
愛しくて切なくて・・・たまらない・・・
「ごめん・・・っ、りお・・・っ!」
「・・・あっ、あぁ、っ」
途端、彼の腰が揺れ始める。
彼の熱が、私の中で暴れ出す。
「や、あぁっ、ふぁ・・・んっ!」
くちゅ、くちゅと、
及川さんの熱が私の秘部を行き来して、淫らな音を作り出す。