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おかえり〜I'm home〜(R18)

第9章 summer memory④





ーーー・・・


三人分のご飯が、当たり前のようにテーブルに並んでいた。


りおはレンジでおかずのハムカツを温め直してくれて、湯気の立ち込めた味噌汁とご飯をよそってくれた。

「俺が今日帰ってくるって・・・分かってたの?」

「え?そんなエスパーじゃあるまいし、分かる訳ないでしょ〜」

なーに言ってんの、と冷蔵庫からお茶を出しながらりおは話す。

「いつ帰ってきてもご飯食べれるように、毎日用意してたのよ」

「え・・・」

「お陰で毎日二人分のご飯食べて2キロも太っちゃったんだからね!」


当たり前のようにさらりと言ってるけど・・・、それって当たり前に出来ることじゃないでしょ。

「馬鹿じゃないの・・・、いつ帰ってくるか、わかんなかったのに」

「いつ帰ってくるのかじゃなくて、ちゃんと帰ってくるか、が重要でしょ。・・・・・・いただきますっ」

いつものように、俺の向かいに座って自分のご飯を食べ始める、りお。


いつ帰ってくるかじゃなくて・・・
ちゃんと帰ってくるか・・・

「でもちゃんと、帰ってくる気がしたから、・・・待ってた」


りおは、笑ってくれた。
柔らかな笑顔で。氷を溶かすようなそんな温かい笑顔で。

俺は並んだ三人分の食事を見やる。

それはまた、俺と母さんとりおで笑いながら囲むあの日常が戻ってくると・・・

俺を信じて待ってくれていた証拠・・・。


「りお・・・」

こんな、

愛する人も失って、
身近な人に迷惑ばかりかけてぼろっぼろで、
だっさい俺のことを・・・




「お前さ、俺のこと好きすぎかよ・・・」

馬鹿みたいに・・・純粋で真っ直ぐ。


「うるさいな、早く食べなさいよ。食べないなら、また私、太っちゃうじゃない」


ほんと、馬鹿みたい・・・ーーー





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