第9章 summer memory④
「ぁっ・・・!」
声がした。
小さな 彼女の声。そこに・・・いる・・・?
一定的に聞こえる物音と共に、彼女の声が微かに耳に響く。
その声は、閉ざされた寝室から・・・・・・
「ぁっ・・・はぁ・・・ん・・・っ」
「"〜〜"・・・っ、気持ちいいのか・・・っ?」
「あんっ、・・・きもち・・・・・ぃ・・・・ぁっ、もっと・・・!」
近づくに連れて大きくはっきりと聞こえる声。
嘘であってほしい、いや、でも嘘じゃない。
この声は彼女のもので、こんな色っぽい声は、夫である俺しか聞くことのできないはずだ・・・・・・
なのに、なのに・・・誰の前でそんな声を漏らすのーーー
「〇〇さん・・・っん、私、・・・もう、・・・あぁっ」
俺じゃない、聞いたことのない名前の誰かと・・・
何をしてるんだよ・・・
知りたくない・・・信じたくない真実がこの扉の向こうにある。
俺は引き裂かれそうな心に鞭を打って、俺たち夫婦が愛し合った部屋の扉を開いた・・・ーーー