第3章 4月
「ふぅ…」
湯舟って最高だよね。その日の疲れが一瞬で吹き飛ぶ。
…ゆうきさんにお皿洗い任せちゃった。
お仕事で疲れてるだろうに、居候の私に気を使わせてしまっている。
本当に申し訳なさでいっぱいになる。
それに、ネットでゆうきさんのことを調べれば調べるほど、あらためて気づかされる。
ゆうきさんは、雲の上の人だ、と。
私みたいな普通の人間が、ましてやまだ成人もしていないおこちゃまが、一緒に住んでていいのだろうかと。
さっき、知らなくてごめんなさいと言った時も、ゆうきさんは私に気を使って気にしないでって言ってくれた。
「でも、気にするよ…」
とはいえ、こうやってくよくよしていたって何も変わらない。
「よしっ」
まずはゆうきさんのことをもっとよく知ろう。
私は勢いよく湯船から出た。