第3章 4月
「うわぁ…」
そこは壁一面が本棚になっていて、ずらりと本が並んでいた。
「これ、物置きっていうより図書館じゃん。」
ぼそりと呟き、その中の一冊を手に取った。
「進撃の…巨人?」
タイトルに聞き覚えがあった。
どこで聞いたのか思い出せないが、そのタイトルだけが微かに記憶に残っていた。
中を開くと、印刷された文字の他に鉛筆でとてもたくさん書き込まれていた。
「な、なにこれ…」
お世辞にも綺麗とは言えないほどの書き込み具合と、本にこんなに書き込んじゃうなんて…という二重の驚きに、少しの間動けずにいた。
少しして思い出したように私は部屋に戻った。
そしてスマホを取り出すと、「進撃の巨人」と検索した。