第2章 お邪魔します
「えっちゃん!」
「ひろちゃん!」
初めて見た「ひろちゃん」と呼ばれる女性は、母より幾分か年上のはずなのにとても綺麗で驚いた。
するとひろちゃんさんがこちらを向いた。
「あなたが夢芽ちゃんね。」
「あ、よろしくお願いしますっ!」
「やだ。えっちゃんに似て可愛いじゃない。前会ったときはあーんなちいさかったのにねぇ」
「なに言ってるの、裕貴くんもかっこいいし活躍しててすごいじゃない!」
「やぁだ〜!」と、おばさまトークを繰り広げるふたり。
私は一歩引いて「あはは…」と苦笑いするしかできなかった。
「ささ、遅れちゃう。裕貴も待ってるはずよ。行きましょ!」
久しぶりだからか盛り上がる2人の少し後ろをついていく。
いやまって、不安が増すばっかりなんだけど…
はぁ、とひとつ息を吐き、ラスクの入ったひまわりの袋を握りしめた。