第1章 嵐の予感
キン キキンッ! ブン! ドゴオッ!
ボッ……
ビッ
ドガッ!
ブゥン パシッ
交錯する衝撃音の中で暴鮫が問いかけた。
「てめぇ 何で日本に来たぁ。
ゲロっちまわないと三枚におろすぞオラァ」
「答える必要はない」
先程の男とは違い冷静でまだ幼い少年の声。
二人のやり取りが終わると剣技はまた再開され、ガキンと激しい音が響く。
「くっ」
「ゔお゛ぉい」
おされ、建物に紙一重と言った形で額に青い炎を灯す少年がガッと掴まった。
「よえぇぞ」
白銀の長髪を夜風になびかせ、男はいい放った。どうやらこちらの男の方が少年よりも格上らしい。
ふと、少年の胸元から一枚の写真が舞う。
「!」
(こんなところで……やられるわけには)
少年は写真を見つめた。
沢田綱吉、ボンゴレ10代目と呼ばれる男に、そして彼のファミリーと並盛の町に黒曜中との抗争が落ち着いた今、再び不穏の影が忍び込んだ――――。