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COLORS【気象系BL】

第2章 八百万の神〈O×N〉


~O.




「智くん、本当にいいの、?」
和が帰った夜の事。暗闇に光る、赤い行燈
細々と声を出す翔くんに、オレはただ
「捕らわれ主が言うんだからいいんだよ」
何て、少し自嘲気味に笑った
「父さん、がね…和也くんを始末しろって、」
「も〜、バレたかぁ、相変わらずはやいねぇ」
草木が風に揺れる音に混じって、オレの笑い声も響いた
「バレない様にしてたのに、!」
悔しそうな表情をする翔くん
「あんま自分責めんなよ、翔くん、もう…どうにも
なんねぇよ、きっと」
ほら、なんて眼下に広がる小さな町を指差す

確かに渦巻く数多の妖共。
「なっ!!っんでこんなに、!」
和を探して居るのだろう、うろうろと彷徨っている奴ら
「ありえない……、まじでありえない、!!」
ぶわりと、隣で焔があがるのがわかった
こりゃ相当お怒りだ、翔くん
「智くん、俺…どうすればいい…」
轟々とあがる焔の中心で悔しそうに下唇を噛む翔くん
「そりゃ…お祓いしなきゃな、」
まぁオレは、一定距離しか外出れねぇけどな。
と笑えば、
「智くんも、手伝ってくれる、?」
何て、様子を伺う翔くん
「んふふ、勿論…範囲外頼むよ?」

そう笑って、一つの民家の屋根に降り立つ
「和は渡さねぇよ…、絶対に」
手をかざせば現れる蒼い焔。彷徨う禍々しい妖に
向かい、印をきる。
そうすれば汚い叫び声をあげ消えゆく妖
「…ちっ、きりがないな、」
まぁ、和には式神をいれたおいたから、奴らは近づか
ないと思うが、念には念をおし
式神を頼りに、居場所を探す
「あ、ぎり圏内だ」
そうつぶやき、スッと家の中にはいる
和の居場所を探しながらフラフラさまよえば
「ん〜、ここか?」

扉をすり抜けて中を見れば、布団に寝転ぶ和を見つけた
「んふ、居たぁ、」
ちらっと顔を覗き込んで、息をはく
幸せそうに寝息をたてる和に自然と笑みがこぼれたが
外の状況は芳しくないだろう、名残惜しいが
外へ向かう






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