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COLORS【気象系BL】

第2章 八百万の神〈O×N〉


~N.




自然のもの全てに神様が宿っていると、
言われ続けた。
物は勿論、畑や建物にも宿っているとされた。
「ニノちゃーん、また神社巡りー?」
昔から一緒に居る幼馴染みの相葉さんが
縁側にいる俺に駆け寄りながら言う
「うん、また行くの」
そう言って、靴を履く
「ばあちゃんが遅くならないようにしろ、だって」
歩き出した俺の背中に相葉さんの声が響く
最近、取り憑かれた様に行っている村の各神社
何かに、会えるような気がしてならない。

「…98…、99……、ひゃぁ、く!」
竹林に囲まれた石段を、声を出して登っていく
さすがに百段はきついらしい、汗が首元に
流れるのがわかった。
「はぁ〜、こんな神社もあんだ、」
本堂の前にぽつんとある大きい石に座りながら
感嘆の声をもらす
平地より少し高い為、空気が澄んでいて、風が気持ちいい
上を見あげれば、青い空がひたすらに広がっていた
目を閉じれば風がそよぐのが聞こえる
まるで異世界に居るようだ

「そ〜だな〜、異世界みてぇだろ」
誰も居ないはずなのに響いた声に驚き、
目を開け後ずさる。
声の主の姿を見て俺は、目を見張った。
「き、つね…?」
纏った着物は裾が青く、覗く尻尾、耳は狐その物だ。
日の光で光る目は澄んだ青で、俺でも目の前に
居るのは人ではないと、悟った。
「人の子よ…俺が怖くないのか?」
目を細め、俺の目の前に下り立つ
「貴方は、妖怪?…それとも、神様?」
「ふっ…不思議な子だ」
俺の問いに笑った狐は、口を開く

「オレはこの本堂に封印されてる神ってやつだ
まぁこの村の人間はオレを妖怪だ、と言うがな」
そう言って、俺が座ってた石に腰掛けた
「じゃあ、神様なのね?なるほどね」
俺は、目の前の狐にさして驚きもせず
納得してしまった。
「ほんと、不思議な奴…」
「俺の家、神様信じてる家系だから」
そう言えば、なるほどね。と笑い尻尾を
揺らした。






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