幼馴染ちゃんがNYから帰ってきたらマフィアになってた(仮)
第5章 ニートの夜は長い
#NAME1#side
ザッ…
?!…私が気付かなかったなんて
『誰?』
カ「俺だよ」
『ああ、カラ松兄さんか』
もしかして、聞かれてた?
『どうしたの?もう電話終わったし戻ろっ、寒いよ』
手を擦り合わせてはーっと息を吐き、寒そうに見せる
カ「…今の電話、友達か?」
やっぱり聞かれてたかあ〜…
カラ松side
『うんっ!そうだよ。向こうに日本の友達がいてさ、お互い日本人だし、国の差とか厳しさがわかるから、気が合うんだよね』
カ「いつからだ?」
『…え?』
カ「いつから、その仕事に手を出した」
正直言って大きな賭けだった。
こっちには確かな確信があったが、向こうがすんなり認めるかどうかの
『…いつから?』
カ「え?」
『いつから気付いてたわけ?』
そう言って、『はぁ〜参った』と言いながら上の方で結んでいた髪をしゅるりと解き、頭をガシガシとかく彼女
その目は今までの俺たちに向けていた可愛い少女なんてもんじゃなかった
一人の女として、そして鋭く酷く冷めた冷酷な瞳、例えていうなら狩人の様な目をしていた
『はぁ〜…やっぱり腕が落ちたよ。こっちに来てみんなに会ってからボロを出しまくりよ』
カ「案外すんなりと認めるんだな」
『そりゃあね、そっちからしたら確信ある上の賭けだったかもしれないけどこっちは認めざるを得ない程のボロ出てるし』
…すべて筒抜けか
カ「目的はなんだ?」
『目的…?初めに言ったはずだよ』
…本当にそれだけか…?
『疑んないでよ、それだけ。どうせ電話聞いてたんでしょ』
カ「…すまない、そんなつもりじゃ」
『いいの。追われてるの。私の上の人がヘマして私に罪を擦り付けやがってね。その上敵に寝返って…私が今までどんな思いしてきたか…ちょー笑えるよね』
あはっ、と乾いた笑いを浮かべる#NAME1#の顔は酷く歪んでいて、今までの苦労が感じ取れる
利用されそうになっていたとはいえ、好きな女が苦労してやっとの思いで逃げてきたのだ、ほおって置けるわけがない
カ「俺でいいなら使ってくれ」