第2章 厨二病な世界
私の言葉に今度は
三人が驚いた顔をする。
……ん?
何か変な事でも聞いたのだろうか?
ヒーローってあれだよね?
ウルトラ◯ンとか
仮面◯イダーみたいなやつ。
特撮番組でもやっていたの?
事務所ってさっき言っていたけど
芸能事務所の事?
……にしては少し狭い。
目の前の三人に
私はどこか不自然さを感じた。
もしかしたら
この人達は
変なカルト集団かも知れない
いい歳した年齢の男が
集まって
こんな話しをするなんて
あまりにも痛すぎる
それによく見たら
変な服着てるし
……耳尖ってるし
「あ……
いや、
何でもないです。
ありがとうございます。
あなたたちは命の恩人です。
この御恩は一生忘れません」
ペコリと会釈をし
横になっているソファから
起き上がろうとする私の側で
……ぷくっと小さく
ふき出す音が聞こえた
見れば王子様(仮)が
肩を震わせて笑いをこらえている
────なぜ笑う。
私が感謝の意を述べる事なんて
滅多にないのよ?
「すまん。……けど、
わざとらしすぎやん。」
「ファットはもう少し
オブラートに包んだ方がいい……」
「助けるのは
ヒーローとして当然の事っスよ」
ケラケラと笑い
終いにはお腹を押さえている
自称王子様(仮)と
それを落ち着かせようと
背中を摩る赤髪君に
不振な目で私を見る黒髪君
……うわ。
何か、凄く
疎外感感じちゃってるんですけど……
一刻も早く
この場から立ち去らなければ
いけないような気がする