第2章 厨二病な世界
憮然とする私に気づいたのか
無邪気な顔で笑っていたファットが
場を取り成した。
「ぷ……ハハッ……
すまんすまん!
ヒメが警戒する気持ちも分かんねん。
でも、ちょっとだけ
聞きたい事あるから
そんな焦らんと、ゆっくりしいや。」
───げ、見抜かれてたか。
さすが経営者兼、王子様(仮)。
でも、こんなところで
くつろぎたくもないんだけど……
宗教?事務所?の
組織構成もよく分かんないし。
とりあえずファットは
私に尋問をしたいらしい
こんな密室で
何をされるか分かったもんじゃないから
内心気が気でない私と
考えるような素振りを見せた後
私の足元から頭のてっぺんまで
一瞥したファット
「……ヒーローって何、って
なんなん?」
「………へ?」
それは先程の
私の質問の事だろうか?
質問を質問で返されてしまうなんて
これは想定外すぎるでしょ……
部屋にはなんとも言えない沈黙が落ちた
赤髪君は困惑しているし
黒髪君は静寂の構えだ
ヒーローとは?
こういう場合
なんと答えたらいいのだろうか
今すぐスマホで
助けてyehoo!知恵袋したいところだが
そんな空気を読めない行為が
出来るはずもないので
正直に答える事にした。
「すみませんが私、
ヒーロー物とかって
あんまり興味ないです。
マニアック過ぎて
さっきの話しも
全くついていけてなかったので
勧誘なら他を当たって下さい。」