第2章 厨二病な世界
私の問いかけに
なぜか男の子が頬をぽっと赤らめた
まるで恥じらう
乙女のような反応に
私は目を瞬かせる
──え、なんで?
なんなのその反応
男の子の
意味不明すぎる反応に
謎は深まるばかりだ
ホントにどうした
「ファットから聞きましたか?」
「私の王子様であるとだけ」
ファット……
王子様(仮)の名前は
ファットさんというらしい
……ファット
日本人の名前ではない
(まさかマジで外国の王子様なの?)
固唾を飲んで
男の子の説明を待っていると
急に席を立ち
壁側に向かって
ブツブツと独り言を言い始めた
「まさか本当に目覚めるなんて……
いや、これは別に俺がした事じゃない
一体どこの誰かも分からないし
もしかしてヴィランかもしれない……」
待て待て待て
どこの誰か分かっていないのは
私の台詞だ
「環は本当ヘボメンタルやなぁ。
眠り姫にキスして起きたから
おヒイさんやん。」
「なぜ眠り姫?」
「だって、眠っとったし。」
自称王子様(仮)、改め
ファットさんが意味の分からない事を
照れたような顔で繋ぐ
……ホントどうなってんの、私
照れてないでください
その前の説明プリーズ
「そこからは、
ぜひ俺から話をさせてくれないっスか?」
戸口から聞こえた声に
また新たな人物の登場かと
身構えた私。
視線の先には
赤いツンツン頭の少年がいた。
(…………誰?)